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三匹の悪魔と従者たち

第4章 ゴウキ × ゾフィー



「結婚、だと?」


ところ変わってここはゴウキの自室である。

今日の夕方までしていた肉体労働のあとの疲れも相まって、まずはどさりと長椅子に深く腰を落とした彼に、非難するような視線を向けたのは彼の従者であるゾフィーだった。


「らしいわ。 どっから聞いたんだよ。 つか、俺が言ったわけじゃねえのにそんなに睨むなよ……」

「そっ、れは……そうなのだが」


ゾフィーは魔族とドワーフとのハーフの女性である。

本来ならば、彼らに与えられるのは血筋のいい魔族の異性に限るのだが、ゴウキは随分昔に当時の従者を断り、その後数年ほど前に本人の強い希望で彼女を選んだ。

ネチネチした女は俺とは合わねえし、腕っぷしも悪くない。 そんな理由からであった。


彼の基準は他の王子とは少し違っており、自分と対等であれる女性を好む。

まず性格と体力が一番。 ゾフィーは若く小柄な女性だてらに武術を鍛え上げて、男に混ざり魔界要人を警備する、何重の意味で異色の、近衛兵というエリートである。

一応は王の長男ということで、腕の立つ従者を傍に置くことも悪くない。 サタンはそう思い、ゴウキの願いを聞き入れたのだった。


仕事で外に出る時は一緒に遠乗りをしたり剣術の訓練をしたり、分別のつかない城外の危険な魔物の討伐をしたりと。
従者になる前から親しかった彼らは10年近くも共にいる、今では二人は戦友のようでもあり親友のような存在であった。

よってゴウキはそんな彼女に対して、性奴隷という言葉は使わない。



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