三匹の悪魔と従者たち
第4章 ゴウキ × ゾフィー
(………とはいえ、あの時のゾフィーは可愛いんだよなあ)
もちろん本来の役目でもある、定期的な性行為の相手も彼女なわけだが、普段は少年のように爽やかな魅力のあるゾフィーが『そうなる』時は、ゴウキがそのギャップに参っているのも正直なところである。
結婚などという言葉を聞いて、ゾフィーはつい不機嫌になったものの、それを悟られまいと必死に彼から顔を逸らしているようだった。
ショートカットに丸い焦げ茶色の瞳。 ちょこんと乗った小さな鼻と、つい触れたくなるような可憐な唇。
いつも色気のないダボっとしたパンツ姿の平民服か制服ではあるが、髪を伸ばしてそれなりのドレスなんかを着れば、美少女とでもいった言葉がピッタリくるのだろう。
本人にはそんな自覚はまったくなさそうだが。
「私は元々城に仕える身なのだから、お前がどこに行って誰を選ぼうとも……立派な王になれるよう、尽力するつもりだ。 私は子供の相手も得意だしな」
女心に鈍感なゴウキさえ、そうたどたどしく細い声で伝えてくる彼女は、少女が必死で背伸びしてる様を見ているようで心の底から愛しさが湧いてくる。
ゴウキは少なくとも自分が彼女に嫌われているとは思っていなかった。
嫌いな相手と寝るなんて器用な真似はゾフィーには出来ないだろうし。
それなら出来るならば、俺の相手はこいつであったらいい。
実はこの話を聞いた時から、ゴウキはそう思っていた。