三匹の悪魔と従者たち
第4章 ゴウキ × ゾフィー
ついやり過ぎてしまったが、きっと起きたらまた欲しくなるんだろう。 と彼は思う。
「ゾフィー、俺を嫌うなよ」
夢中で貪ってしまった事実には変わりがないので、そう願いながら未だに湿りを帯びた内部の感触を味わいつつ、しっとりとしたゾフィーのこめかみに口付ける。
目を閉じたままのゾフィーがふと意識が取り戻したのか、囁くような声で口を開いた。
「………ゴウキ。 私はお前が王になるべきだと思う。 力で抑えるんじゃない。 強くて皆に慕われる王に……お前ならなれるだろう」
それに耳を澄ませ、お前はそれでいいんだな。 そんな言葉をゴウキは飲み込んだ。
彼は否定も肯定もしなかった。
「………そうか」
だが彼女のそんな願いを自分は叶えてあげられそうにない。
ゴウキはもはや身も心も離れられなくなってしまった彼女を手放すつもりは毛頭なかった。
他の女と結婚する位ならずっと独身でいい。
そしたら、ゾフィーもずっと自分のものだ。
彼女が望むなら子供だって授かれる。
一ヶ月の花嫁探しからは自分は降りる───────かといって、長男である自分が父王に逆らうわけにもいかない。
他の兄弟に対する示しもある。
『そういうフリだけして、見付けられなかった』
そんな体で誤魔化せないだろうか。
こんな自分をゾフィーは不甲斐ないと思うだろう。
けれどこれ以上の幸福は俺にはないのだから。 そう考えて、ゴウキは愛しい女に身を寄せて目を閉じる。