三匹の悪魔と従者たち
第1章 我儘サタン
「一応ゴウキが長男なんだしさ」 そんなゴウキをたしなめたのは次男のジンだったが、彼の人好きのするあけっぴろげな表情をみるとそんな気も失せる。
美しいものに目がない次男は、以前自分が玉座の周りに並べた地上の風景を描いた絵画の配置に満足げに頷きながら、最近はLEDを利用した草花の栽培に専心していた。
「ま、おれも専属の性奴隷なら事足りてるかな。 でもまだ遊び足りないんだよね」
顎に指を当てて、至極真面目に思案するその流麗な表情からはそぐわない言葉だが、元々恵まれた精力を持っている魔族の中でもジンのそれは並外れていた。