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嵐びーえる。

第16章 番外編③ 真実のその後で

高階side


ウィーン

自動ドアの開く音がして、振り返る。


待ち侘びていたその人が、姿を現した。





高「渡海先生」


渡「待たせたな」


普段の姿からは想像しがたいくらいに優しく笑う渡海先生に、小さく会釈した。


高「問題ありません」



肩をすくめて見せると、軽く頷いて、手すりに腰かけた。




懐からセブンスターの箱を取り出し、一本咥えてから、こちらに投げてよこす。




高「ありがとうございます」




煙草をふかし、白い煙を吐く。





お互いに、何かを言い出せないもどかしさを、煙にのせていた。









渡「そのままでいい」






どれくらい、そうしていただろうか。





ふいに、渡海先生が、呟いた。



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