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嵐びーえる。

第20章 大丈夫 磁石

Sside


草木も眠る丑三つ時。


喉が渇いて一階に降りると、真っ暗な闇の中テレビが薄暗く光る。小さな猫背の背中が、ぼんやりと見える。




S「ニノ?」


声をかけると、振り向いた。


赤く充血した目が、俺を突き刺す。



N「翔ちゃん。どうしたの?」


S「水。喉乾いちゃって」


N「そっか」


それだけ言って、ニノは画面に意識を戻した。



S「寝ないの?」


23時頃、俺が寝たときも、同じ体勢でゲームをしていたように記憶している。


生放送の大特番まで一週間切ったんだから、体に気を使ってほしいんだが。


N「ん-」


ぼんやりとした返事だけが返ってきた。


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