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惑星ミラーミラー

第7章 〜残された人々〜

(1)

夕飯はフレッドが作ってくれた

レトルトパックのハンバーグ

でも動物の肉ではなく、植物素材なのたそうた

フレッドに言われるまで気付かなかった



夕飯の時間はおもにソニアが自分のことを話した


いつもやっている仕事

今回の仕事

そして事故からここまでのいきさつ…



夕飯のあと、ソニアもシャワーを借りる

シャワー空間にある大きな透明バッグに身体を入れ、ジッパーを閉める

内部には操作端末とフェイスシールドがある

「……ほんとレトロだねぇ……」


フェイスシールドからは涼しい空気が流れてくる

端末を操作すると水しぶきが吹き出てきた

温度を調整する


本来は無重力仕様なのだろう

本来吸い込まれていくはずの吸水ノズルの高さが合わず、足元にお湯が溜まっている


きちんとボディーソープも出てきて、機械はじゅうぶん現役だ


シャワーで洗い流すと、ドライモードに切り替える


シャワーは停止し、袋全体に風が通り抜けていく


身体についた水滴だけでなく、袋の内側の水滴も風で吹き飛んでいく


じゅうぶんに乾燥させてからソニアはバスルームから出た


肌の水滴は飛び去ったものの、あとから汗が吹き出てくる


洗面台がわりに使われているサイドテーブルに新しい着替えが用意されていた


隣のベッドのある小部屋からフレッドが声をかける


「……母さんのでよかったら、使って」


「……サンキュ」


身にまとってみると、やはり宇宙服用のインナーシャツだった


身体に密着してボディーラインがはっきり出ている


“……相手は子どもだし……まぁ、いいか~”


ソニアは小部屋の部屋に入っていく


「シャワーありがとう」

フレッドはベッドに横たわっていた


これが歳相応の男性だったら、すかさずソニアもベッドに飛び込んだだろう


ソニアは立ち尽くしたまま、えーっと、と迷っているジェスチャーをすると、フレッドが少し横にズレてベッドに隙間を作ってくれた

横にきたら?というかんじだ


ソニアは“いいのかな?”と思いながらベッドに腰掛けた


「狭い?わたし床に寝ようか?」


「ううん、ここでいいよ、それに誰かと一緒に眠るのは久しぶりなんだ」


ソニアは“寂しかったんだね”と心に思ったが口には出さなかった……

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