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惑星ミラーミラー

第7章 〜残された人々〜

(2)

横に添い寝をするように並ぶふたり


遠慮がちに横になるもお互いの腕がジャマをして狭く感じる


ソニアはじゃあ!とばかりにフレッドの頭の後ろに腕をまわす


「こっちのほうが楽じゃない?」

フレッドは照れた表情をしたものの、素直にウンと頷いた


子どもも居たことが無いソニアからすると、腕枕をしてあげるのは初めてだった


母性本能なんてものはやって来ず、ただ弟にしてやる程度の感覚だ


ソニアの胸が少年の顔に近づいてしまうが、それを意識して照れてきるのが少し嬉しい


“まるで、甥っ子を誘惑してる伯母さんだなぁ”


ソニアは自虐してしまう


はじめは上を向いて横になっていたフレッドだったが寝苦しいのか横向きに寝返りをうち、ソニアのほうへ顔を寄せてきた


それでも遠慮している様子だ


ソニアは笑って促してやる


「気にしなくていいよ、さぁおいで」


ソニアは少年の肩をぐいっと掴んで自分の方へ密着するよう寄せてやる


フレッドはソニアの豊かな胸に顔をうずめるかたちになった


まだまだ子どもだからだろうか、密着はしたものの性的に触ってくるような仕草はなく、ソニアも安心して眠れそうだった


少し気になるのは、横向きに密着してきた少年の腰も密着しており、どうしてもソニアが少年の腰に意識が向いてしまう


“……子どもなんだけど、当たってるよね…”


眠れそうだったが、変に意識し始めると眠れなくなる


余裕もってオトナぶってはいるものの、自分のほうが思春期になったかのように意識してしまう


「ソニアさん、眠れないの?」


「……うーん、ケガしたときじゅうぶん眠っていたからかな?」


「……母さんと居たころ……いつもこうやって寝ていたのを思い出したよ」


「お母さんはどうしてここに残ったんだろうね、他の星に行ける宇宙船の便があったはずなんだけど……」


「……この星が捨てられるとき、何人かの人たちが星に残ったんだよ……自主的にね」


ソニアはやっぱりそうか、と自分の想像を思い返す


最後の船は確かに残った住民を連れて引き上げた

でも、それは全員ではなかったのだ…

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