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惑星ミラーミラー

第1章 〜遭難〜

(2)


暗い地下の通路


真っ暗な闇の世界


調査員ソニアは完全密閉性の防護スーツ姿でヘルメットのヘッドライトを頼りに通路を進んでいく


ガレキがうず高く積み上げられ、足をとられる


なかなか思うように進めない


そして動くたびに埃が舞い散り視界を遮る


それよりも一番ソニアがこたえているのがこの寒さだ

氷の惑星ミラーミラー


地表は凍結、生命の姿は無い


いや、今のところ運良く遭遇していない



事前の情報ではうごめく〈這い虫機〉や地下に巣食う〈機竜〉に出会ってしまうと調査も困難だったろう


極寒の中、ソニアは疲労困憊していった



ピー


通信が入った



「ソニア、接続端末を見つけました!すぐに照明をつけます」



相手は人間の声ではなく機械の合成音だ



「でかした、A-10(エーテン)照明は助かるけど、換気と暖気を頼むよ」


「ラージャ」


声の主、A-10(エーテン)の返事とほぼ同時に通路に灯りがともった


少し間をおいて換気ダクトから空気の流れが感じられるようになった



「ふぅ、ようやくヘルメットを脱げるね」



ヘルメットを外すソニアは金髪ショートカットの髪を掻き上げ、中年の女性の姿をさらしたのだった



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