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カラテたちはブライアン大尉を見舞った。
グフカスタムにGMスナイパーを爆発寸前まで追い込まれて重傷を負っていた。

「大尉、申し訳ありません、自分を庇っていたたいたばかりに・・」
トーマスは深々と頭を下げる。

「気にすることはない。部下を庇うのは上司の役目だ。しかし、あんなモビルスーツを相手にこのザマとは俺も焼きが回ったものだ・・それに、レオンを救えなかった・・これ以上大事な仲間を失わないように頑張らないとな」

傷の痛みに堪えてブライアン大尉は気丈に笑う。枕元には書きかけのクリスマスカードがあった。故郷に残してきた家族に宛てたものだ。

「クリスマスなんて戦場では関係ないことだなぁ」

カードを見られてブライアン大尉は照れくさそうに笑うが、その顔は少し寂しそうでもある。

「せめてクリスマスぐらいは戦争を忘れたいものだなぁ」病室の他の面々も戦場で過ごすクリスマスを嘆いて溜息を吐く。

「やりましょうよ、クリスマスを。戦場だってクリスマスぐらいやったって罰は当たらないから」
カラテは明るく笑った。

カラテのアスナロとトーマスのアスナロキャノンはソリを引いて発進した。ソリにはキレイな飾りが積まれている。

「本当にこんなことしちゃっていいのかな?」と小心気味のトーマスとは対照的に、「クリスマスぐらいは戦争なんて忘れて楽しくいこうぜっ」とカラテははしゃぐ。

ミントもテスト機のGMで合流してモビルスーツたちは木を飾りつけてクリスマスツリーに変えていく。
あちこちにセットしたスピーカーからはクリスマスソングが楽しそうに流れている。

カラテたちに賛同した人たちも次々にモビルスーツを発進させてクリスマスの飾りつけを楽しそうに手伝う。

「あいつら、勝手なことばかりしおって・・」
勝手な行動を咎めようとブライアン大尉は傷をおして出動しようとする。

「まあまあ、いいじゃないか。戦場にだってクリスマスは必要だ。故あって敵対はしているが、ジオンの連中だって人間だ。そういう気持ちは通じるだろう」

ピルスマン司令官は温かい笑みを浮かべてブライアン大尉の肩を叩いた。

モビルスーツを修理して、再度のシベリア基地襲撃作戦を練っているシャープたちに、楽しげなクリスマスソングが聞こえてきた。

「シャープ様、連邦のヤツらが一時休戦の意を表しています。何でもクリスマスをしようとか・・」