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ついにアスナロの光の手がGサイコのコクピットの硬い装甲を砕いた。

「あたしはどうしたの？恐い人たちに捕らえられて・・ここは、どこ？頭が痛い・・助けて、カラテ、あたしを助けてよ」

カラテの魂の叫びに応えるようにコメットは意識を取り戻した。激しい頭痛に襲われてパニックになって、コメットは涙を流して助けを求めた。

「コメット・・動けるか?何とかここから脱出しないと」

「カラテ・・来てくれたんだ」

コメットは頭痛を堪えて最後の力を振り絞ってアスナロが差しのべた手に乗ると、そのまま意識を失ってしまった。

まるで大魔神が崩壊するかのようにGサイコは全身から炎を噴いて崩壊していく。コメットを抱えて着地したアスナロは爆風からコメットを護って蹲る。

シャープのドムやイリアのグフに続いて動けるモビルスーツはアスナロを取り囲むように集結して爆風からふたりを護って立ちはだかる。

連邦もジオンも関係なく、みんなひとつになった感動の大団円に人々は拍手と歓声を贈る。

「やったな、それでこそ白い悪魔だ。赤の恐怖と呼ばれるであろうボクのライバルに相応しい。引き上げるぞ、イリア」

「はい、シャープ様・・これからの戦いを楽しみにしているよ、ガンダム坊や」

Gサイコの崩壊とボロボロになっても大切なものを守り抜いたアスナロの勇姿を見て満足そうに笑いながらシャープたちは引き上げた。

残念ながら、シャープが赤の恐怖として語られることもアスナロがガンダムとして語られることも歴史上はないのだが・・。

禁断のサイコシステムの密造と発動は温厚なピルスマン司令官をして逆鱗に値する愚劣な犯罪であった。
自分の保身や名誉ばかりを気にして言い訳を繰り返す上級特尉の見苦しい態度が更に逆鱗に触れてピルスマン司令官の鉄拳制裁が下される。

「な、殴りましたね・・私の父は偉大な政治家ですよ。その父にさえ殴られたこともないのに・・」

ドクトル上級特尉は涙目でピルスマン司令官を睨む。

「殴ってなぜ悪いか!殴られもせずに一人前の地位に立つキサマのようなヤツが連邦を腐敗させるのだ」

「お、親父に言いつけてやる〜」

子供のように泣きわめくドクトル上級特尉をピルスマン司令官の渾身の鉄拳がぶっ飛ばす。

「それが甘ったれだと言うんだ!キサマのようなヤツに人の上に立つ資格はない。恥を知れ!」