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そして愛へ 「改訂版」

第1章 そして愛へ 「改訂版」

 試しにいっしょに暮らしはじめた最初の日に、進さんが、どうしてわたしにお願いをしようと思ったのか、話してくれました。わたしがアルバイトをしていました梅田の書店で、4月に、あたらしいアルバイトの娘さんがいるなと思ったら、絵本を探している親子に、優しく親切に話しているのを見まして、とってもいい娘さんだなと思ってくれたそうです。
 休みの日にはフルタイムでアルバイトをしているので、学費などがたいへんなのかなと思ったそうです。その後も、わたしのことをよく見てくれていたそうです。それで、ますますわたしをいい娘さんだなと思ってくれたのだそうです。
 試し期間に進さんといっしょに暮らしているあいだ、わたし、こんなに楽しくて快適な生活をさせてもらえる、進さんの優しさを嬉しいと思いました。信用できるとも思いました。
 それで、何日かまえから、進さんに返事をしようと思っていました。でも、いっしょに暮らしてもいいですと言いますのは、進さんとセックスをしてもいいですと言ったことになります。それが恥ずかしいので、一日延ばしにしていたのです。

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