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妄りな昼下がり(仮)

第2章 雪 30

雪はゆっくりと風呂に浸かる、春めいてきてはいるけれども夜はまだ肌寒く、寒がりの雪は芯から温まるような風呂が好きだ。
色々な思いを巡らせる、どこかで聞いた事がある。
男と女を同じ部屋に何週間、何ヶ月か閉じ込めていたら、セックスするのか?って話し。
結局したのか、してないのかは分からないけど、雪なら一日で我慢出来なくなるのだろう。
雪は男の顔色を伺った時、無性にセックスがしたくなる。男がセックスをしたいって表情憂いを読み取れる。だから乗り気じゃない男も乗り気にさせる自信があった。
お前みたいなブスじゃ勃たねぇよと言い放った男も最終的に雪の身体を迫ってきた。
雪自身も分かっていた、容姿はめちゃくちゃに優れてる訳じゃない強烈な淫を感じるのだ自分に。
少し熟れた胸と、色白の肌のせいなのだろうか。

ー違う、母親のせいだ。ー

そう思いかけて、雪は風呂から出た。母親の事は考えたくなかった。

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