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私は失恋エディター

第5章 巡り合わせ

1ヶ月後
私は西条先生の家に来ていた。
もちろん、いつも通り原稿を受け取るためだ。

「ああ、水沢さん、ちょうど良かったわ。」

「え?」

「今、睦月のモデルになった男の子が来ていてね。」

そう話を聞きながらリビングに入った私は思わず鞄を取り落とした。
ドサッと大きな音が聞こえたがそんなことでに構ってられなかった。

「文斗…」

大学の頃、私と別れた彼だった。
少し痩せて大人っぽくはなっていたけど、間違いなかった。

“あのさ、俺たち合わないと思わない?”

苦い記憶と美しい思い出が脳裏に蘇る。

「…雪?雪か?」

私を見て言う。
西条先生はそんな私たちの様子見て戸惑っていた。
多分、西条先生は彼が私のエピソードの男の子だということは思いもよらなかったのだろう。

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