私は失恋エディター
第5章 巡り合わせ
西条先生と彼の出会いは全くの偶然だったそうだ。
西条先生は本を書く時、リアリティを出すためなるべく本職の人のところに行って話を聞く。
デビュー作「一瞬の夏」に出てきたシナモンクッキーも元々はお菓子屋さんの商品だったという。
あの時、私が食べたクッキーはそのお菓子屋のクッキーを元に西条先生なりにアレンジしたものだったらしい。
西条先生はそのクッキーのファンになり「一瞬の夏」発売後もそのお菓子屋に度々、足を運んでいたという。
その時、出会ったのが文斗だったという。
「知らなかったわ。お菓子屋に就職してたなんて。」
「俺だって知らないよ!雪が出版社に勤めてたなんて!」
全く何の偶然かしら。
私たちを結んだ「一瞬の夏」の本。
それは再び私たちを巡り合わせたらしい。
これが何を意味しているかは分からない。
だけど、これから何かが起こりそうな気がする。
それが良いことか悪いことかは分からない。
でも、私は受け入れていこうと思う。
大丈夫、心に穴が空いたときの穴の埋め方ぐらいはもう知っている。
今、クッキーを食べながらケラケラ笑ってる目の前のヤツのおかげで…。
Fin.
西条先生は本を書く時、リアリティを出すためなるべく本職の人のところに行って話を聞く。
デビュー作「一瞬の夏」に出てきたシナモンクッキーも元々はお菓子屋さんの商品だったという。
あの時、私が食べたクッキーはそのお菓子屋のクッキーを元に西条先生なりにアレンジしたものだったらしい。
西条先生はそのクッキーのファンになり「一瞬の夏」発売後もそのお菓子屋に度々、足を運んでいたという。
その時、出会ったのが文斗だったという。
「知らなかったわ。お菓子屋に就職してたなんて。」
「俺だって知らないよ!雪が出版社に勤めてたなんて!」
全く何の偶然かしら。
私たちを結んだ「一瞬の夏」の本。
それは再び私たちを巡り合わせたらしい。
これが何を意味しているかは分からない。
だけど、これから何かが起こりそうな気がする。
それが良いことか悪いことかは分からない。
でも、私は受け入れていこうと思う。
大丈夫、心に穴が空いたときの穴の埋め方ぐらいはもう知っている。
今、クッキーを食べながらケラケラ笑ってる目の前のヤツのおかげで…。
Fin.