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🌹密会🌹

第11章 🌹March🌹(終章)-2






「俺としたことが“消毒”を怠っていたようだ。」


地を這うような声で彼はそう吐き捨てると、美月の首筋を熱を帯びた指先で撫で上げる。
そして、その撫で上げた場所を怨念や憎悪をこめたような烈しい瞳で睨み据えたのだった。


美月は石像の如く、動けなくなった。


それは殺気を放った日比谷教頭の態度に威圧された為であると思うが、今から自分はどのような扱いを受けるのか全く予想出来ないという恐怖心もあったに違いない。


彼はその恐ろしい顔を彼女に、正確には彼女の首筋にゆっくりと近づけていく。

絶対に首を動かしてはいけないと美月は心の中で懸命に念じながら、ギュッと目を瞑った。
すると彼女の首筋に彼の唇が当たる。
そのまま彼は暫く彼女の肌を強く吸引し続けた。
皮膚を噛みちぎるのかと思われた行動だが、
彼は最後に尖った犬歯で軽く歯を立てると、その場から離れて、今度は鎖骨の方へと移動していった。


何だ...消毒って...キスマークの事か...


口から心臓が飛び出るのではないかと緊張し、何も考える事が出来なかった美月だったが、場所を変えて何度も繰り返す行動に、彼女はやっと消毒の意味を理解して、ハァーと深く息を吐く。

首筋、鎖骨、乳首の周囲2箇所、お腹...

仰向けにひっくり返されて背中とお尻に2箇所ずつ、日比谷教頭は“消毒”を施していく。


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