🌹密会🌹
第12章 🌹March🌹(終章)-3
「お前には随分辛い思いをさせてしまった。私の嘘など、早々に見抜かれていると思い込んでいた。お前はノーと言えない性格だ。嫌だと思っていても言い出せないのかと思っていた。お前の脅しに使ったあの動画は、翌日既に消去していたが、それを知らないお前は関係を切り出せば私に動画を拡散されるかもしれないという恐怖もあっただろう。そんなお前が私に好意を抱いているとは微塵も思えなかった。だから昨日、私に見限られるのが嫌だと言ってくれたお前を、惚れているとも言ってくれたお前を全く信じてやれなかった。すまなかった。」
「れ、黎一さん。落ち着いて下さい。」
またしても長々と語り出し、謝罪をする日比谷教頭に、美月はストップの声をあげる。
「落ち着いていられるか。特に昨日は精神的にもお前を酷く傷つけてしまった筈だ。子どもが欲しいと言った俺の言葉も、避妊具を使用せずに膣内射精を繰り返した俺の行動も何もかも恐怖だっただろう。絶望させてしまって申し訳なかった。遅くてもクリスマスの段階でバレていると思っていたから衝撃でしかない。言い訳にしかならないが。」
「黎一さん、もういいんです。過去の事ですから。それに事実は全く違うからいいんです。謝らないで、黎一さん。クリスマス、私の為に用意してくれてたんですね。本命の彼女さんが来られないから私を呼んだのかなって思っていたので、凄く嬉しかったです。」