🌹密会🌹
第13章 🌹あとがき🌹
🌹June🌹
【あらすじ】
三原先生というパワフルかつ気の強そうな学年主任の先生が出てきます。自分の仕事の相談に乗ってくれて、かつ校長のセクハラを止めさせてくれた日比谷教頭に一方的に片想いしているという先生でした。
その人とガールズトークをしながら、いや私、その教頭の性の捌け口にされてるんだよねっていう複雑な想いを美月が抱えるのが前半パート。
後半は大雨になると分かっていながら傘を忘れ、職員玄関で立ち尽くしていると、日比谷教頭に「家まで送る」と言われ、初めて彼の車に乗ります。途中、人気の無い空き教室で男子生徒を指導するのはいかがなものかと忠告します。無人の公園近くに駐車した車内でキスの延長で身体を愛撫され、イってしまう美月ちゃん。すっかり帰る気を失せた美月は「このまま帰りたいか?」という彼の言葉を否定して「いいえ、お時間があるなら...ホテルへ。」と言って、ラブホ街に向かう...という流れでした。
【解説】
この後半部分を黎一さん視点で細かく見ていきます。①立ち尽くす美月に車で送ると言ってしまう②「大丈夫です」と断る美月に対し、「風邪でもひかれたら困る」と本心を告げてしまう
③駐車場までの道のりを相合い傘で歩く際、美月の手に自分の指を絡めてしまう(がっちり恋人繋ぎ)
④空き教室で美月から指導を受け、かつ彼女の手を握っていた男子生徒に対し、アイツはお前に好意を抱いていると指摘してしまう。以上4つです。
俗悪な人間を演じるなら、まず見て見ぬフリをしなければいけませんでした。優しさは不要なのに①〜③の行動は、状況を見過ごせずに思わず手を差し伸べてしまったという事になります。
④の部分は読み返すと完全に嫉妬だと分かる流れになっている筈です。
でも美月ちゃんは「私の見ていない所で、勝手な真似をするな」と自分に忠告している...?と勘違いしてヤキモチだと気付きません。
「いや...お前に興味があるんだ。その為の口実だ。」という黎一さんの台詞があります。
男子生徒とは接近する手段が違いますが、日比谷教頭も彼と一緒で好意を隠して近づくという部分は同じ。だから断定的な言葉で言い切ってます。