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🌹密会🌹

第13章 🌹あとがき🌹



②日比谷教頭の自宅前の赤信号で車が捕まった際、彼は「美月」と呼びかけます。でも視線は鋭利なナイフのように鋭いです。「何でしょう?」と小声で返答した美月に対し、「いや...やはり話は後にする。」と言って、鋭い視線を信号機へと戻すシーンがあったかと思います。

この場面は、黎一さんが美月ちゃんのコートから煙草の匂いがする事に気付き、一度問い質そうとします。
しかし万が一、他の男との性的な関係によって染み付いたとなった場合は、事故を起こしかねないと判断したので、「話は後にする」と言ったんです。現に彼、青信号になった途端に、アクセルを強く踏んでますから。
自宅に着くまで、彼は杞憂であってほしいと願っていました。

③「男の名前と連絡先は?」
美月を押し倒し、昨晩、城戸に付けられた身体中の鬱血痕を見た際に彼が威圧的に放った一言です。この時の彼の心境としては、
「誰がやった?誰が美月の身体にこんな痕を付けた?徹底的に追い詰め、物理的・社会的制裁を与えてやる。」みたいな感じでした。
なので彼女を罵倒するよりも、先にこの言葉が出てきてしまったんです。

④ 「お前はその男に惚れているんだろう?」

負の感情を無理矢理押し殺したような、貼り付けたような笑顔を浮かべる日比谷教頭に美月はゾッとした。

これは先程の③に対し、「ごめんなさい、どっちも分からないの。」と内心泣きそうになりながら答えた美月へ、鋭利な双眼を綺麗な三日月の形に細めた後に、放った言葉です。

“違う。お前はソイツを身を呈して庇いたいだけだ。愛してしまったんだろう。この俺がお前を愛したように”

あの時の彼の負の感情を言葉にするなら、こんな感じです。ですので、「惚れているんだろう?」と美月に問いかけながら、「惚れていない筈がないよな、美月?」と彼は言外に圧をかけてもいます。


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