🌹密会🌹
第13章 🌹あとがき🌹
⑦ 「悪いが、全くお前の話は響かない。私の信用を得たいのなら、それを裏付ける証拠を提示しろ。」
“俺はお前に婚約指輪を渡してプロポーズする予定だった。その証拠として、指輪をお前に提示してもいい。お前は何が提示出来る?口先だけなら愛しているなど、いくらでも言える。抱かれた男と何の恋愛感情も無く、本当に俺を愛しているなら、お前の身体に散らばる鬱血痕よりも明確な証拠を俺に寄越せ”
この時の彼の心境を言語化すると、こんな感じになります。
また終章で、ある筈は無いと分かっていながら、私への愛を言葉以外で証明してほしかったと言っています。
この事から、頭の何処かで無理難題を言っている自覚があった事にもなります。それでも美月から言葉以外の証拠が欲しかったんです。
⑧不安に苛まれている美月に対し、日比谷教頭は口元に微笑を浮かべた。
だがその笑顔は先程、彼女を扼殺しかけた時の笑顔にソックリだった。
美月の背筋にゾクリと冷たいものが走った。
“ああ、そうだ。俺はお前をここから逃がす気は一切無い。俺の心を揺さぶる言葉として最も利口な言葉を選んだ。だがどの道、お前は狂った俺の餌食になる事に変わりは無い。哀れだな、美月“
黎一さんにとって身体を差し出す事が償いになるなら、喜んで貴方に身体を差し出すと言った美月の言葉に対し、不気味な笑顔を浮かべながら思っていた事が↑になります。
そしてそのまま、
「何だやれば出来るじゃないか、美月。私はそういう言葉を待ち望んでいたんだよ。」と猫撫で声で表面的に美月を褒めます。
美月の言葉を本心からだと受け止められず、何一つ信用出来ない黎一です。