🌹密会🌹
第6章 🌹September🌹
高校行事の中でもビックイベントである文化祭や体育祭が終了し、10月の中間テストを控えた9月の中旬。
日々の業務からくる疲労が中々取れず、身体の怠さを感じたまま、迎えた第三土曜日。
歩くのも億劫な程の倦怠感と、悪寒を感じて目を覚ました私は、すぐさま体温計で体温を計った。
体温は38度5分。
このまま寝てしまい所だが、今日は日比谷教頭と密会の約束がある為、休んでもいられない。
メイクや髪のセットを短時間で済ませ、9月にしては少々着込んだ服装で日比谷教頭からの連絡を待った。
先月の密会から、何故か毎月彼が車で迎えに来てくれる事になり、嬉しい反面、彼の胸の内が良く分からない。
先月、セックスの対価として頂いたお金もいつもより多く封筒に入っていた。入れ間違えというのは彼の性格からしてあり得ないから、わざと多く入れたのだろう。
逢瀬を重ねた愛人には、サービス精神が旺盛になる傾向でもあるのだろうか...。
ミステリアスな部分が多い彼の事を、ぼんやりとした頭で考えていると、着信音が鳴り響く。
....行かなくては。
体調の優れない身体に鞭を打ち、自宅を出ると、駐車場で待っている彼の愛車を探した。