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🌹密会🌹

第6章 🌹September🌹


「体調不良の日は、必ず事前連絡を。行為の途中で倒れられた方が困る。」

「....すみません。約束を反故にするのは気が引けてしまって...。」

「日を改めればいい。私は弱った病人を無理矢理抱く趣味は無い。出来ない日は出来ないと素直に言いなさい。」

「はい...。」

「...。」

「...あの、まだ何か?」

「私の手が必要なら、お前の部屋に上がらせてもらおうかと思ったんだが...迷惑か?」

「え!?あ、だ、大丈夫です!!流石に身の回りの事は一人で出来ますから。」

赤面した顔で捲し立てるように私は言い切ると、顔を伏せた。すると私の右腕を掴んでいた彼の手は移動して、ゆっくりと愛玩動物を撫でるような手つきで私の頭を撫でた。

「お大事に。」

そう一言告げ、私の頭から手を退いた彼の柔和な表情に、ギュッと胸が締め付けられるのを感じた。
その高鳴る心臓の鼓動に気づかないフリをして、頭を再び下げると助手席を降り、彼の車が立ち去るのを見送った私は、一人自宅へと戻った。


セックスが出来ないのに、一切不満げな表情を見せなかったどころか、私の体調を心から心配してくれたように見えた。
いつか見放される都合の良い女にする配慮じゃない。
まるで恋人のようだった。
だけど、紳士的な黎一さんにとっては、
それが当たり前なのかな...。


とぐろを巻き続けるだけの無意味な思考回路を無理矢理断ち、彼に買ってもらったレトルトのお粥を食器に移して、スプーンで食べる。
食欲はあまりなくて、一口二口食べてスプーンを置くと処方された薬を飲んで、ベッドに身体を埋めた。

どんなに優しくされても、
彼に好意を持ってはいけない。
いつか簡単に切り捨てられてしまうのだから。

そう自分に何度も言い聞かせながら、
瞼を閉じ、うさぎの抱き枕をキツく抱きしめながら、睡魔の訪れをゆっくり布団の中で待ち続けた。

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