🌹密会🌹
第7章 🌹October🌹
約束の日。
高速道路沿いに点在するネオン輝くラブホテルの地下駐車場に高級車を停めた日比谷教頭の手に引かれ、宮殿を模した煌びやかなラブホテルの入り口へと入っていく。
タッチパネルから、一目でSM部屋だと分かる奇抜な部屋を彼は選択すると、そのまま料金を支払って、狭いエレベーターを一緒に乗り込み、目的の部屋と向かう。
エレベーター内で緊張と興奮が入り混じった私は、気持ちを落ち着かせる為に無意味に何度も爪先弄ったが、反対に彼は取り澄ました表情を浮かべているだけで、その温度差に少しだけ気恥ずかしくなった。
到着を告げる機械音が鳴り、共にエレベーターから出ると、部屋番号が点灯している部屋の扉を開けて、中へと入る。
私だけ一人浮かれているのかも。
ガチャンと扉が締め切る寸前まで、私はそう信じて疑わなかった。
「黎一さ...んっ」
抵抗をする間も無く、玄関の壁に両手を押さえつけられて、そのまま唇を強引に奪われる。
先程まで確かにあった冷静沈着な雰囲気はすっかり取り払われ、肉食獣のようなぎらついた彼の瞳が私を射抜いていた。
馬鹿だ私...まんまと騙された...。
だけど、彼の視線、凄くイイ。ステキ。
いつもより性急な舌使いと彼の野生的な視線に簡単に骨抜きになった私は、思わずうっとりと目を細めていると、彼の片足が私の両足へと割り込み、服の上から陰部を乱暴に刺激し始める。
ちょっと待って...まだ玄関なのに...。
抗議の声を上げたいが、彼の肉厚な舌がそもそも許す事は無く、
加えて彼の割り込んできた片膝によって、布地と布地との些細な摩擦すらも次第に快感へと変わっていく。
嫌...こんな場所でイキたくないのに。
目で訴える...というのは苦手だが、それ以外に方法が無い為、眼光の鋭い彼の瞳をジッと凝視する。
すると、すぐさまこちらの視線に気付いた彼の視線と目が合い、その後暫しの時間が経過して、もう目を逸らしてしまおうかと諦めた瞬間、彼は何故か嬉しそうに目を細めると、舌をスルリと抜いて静かに離れていった。