🌹密会🌹
第8章 🌹December🌹
念入りに化粧と髪のセットに時間を費やし、
襟元と手首周りにファーが付いた白のムートンコートを着込んで、ピンクのボストンバッグを手に自宅を出発し××空港へと向かう。
12時15分。灰色のスーツを着用し、キャリーケースを手に空港内で先に待っていた彼と合流すると、××空港から12時半発の飛行機を使って長崎空港へ、そこからは空港とホテルヨーロッパを結ぶエアポートバスに乗り、運河に囲まれたラグジュアリーなホテルヨーロッパに到着した。
これは...ヤバい...。
水の都アムステルダムを見事に再現したホテルの外観に暫し目を奪われていると、「早く来い。」と腕をひかれてホテル横のハーバーゲートにてチケットを受け取り、14時、ホテルヨーロッパ横の桟橋に到着。
...これに...乗れる...の?
中世ヨーロッパをイメージしたクラシカルな運河船を前に目を見開いていると、スタスタと先に乗船する彼に慌てて後に続き、木の温もりが感じられる船内へ。
季節の花々と3連風車が見事なフラワーロード、白で統一された観覧車、シティタワーに聳え立つドムトールン等が視界の端から端を横切り、約20分をかけて広大なハウステンボスを周遊。
「日本じゃないみたい...。綺麗...。」
まるで異国に来たような景観に始終そんな感想を呟いていると、あっという間に夢のような船旅は終わってしまう。