🌹密会🌹
第10章 🌹March(終章)-1🌹
「どうして君は、彼を切り捨てないの?」
黒崎からの質問に美月は今度こそ目を丸くして、彼を凝視した。
「凄い顔。そんなに驚く事、俺言ったつもりないんだけどな。」
「彼の事が好きだったから、考えた事も無かったです。それに切り捨てるって言ったって、具体的に何をすればいいか分からないですし。」
「簡単な事だよ。他に男が出来たと伝える。ただし証拠付きでね。その後、用済みになった彼に君が別れを告げる。」
「そんな事...出来ない。それに協力者が居ないと為し得ない事だし。」
「協力者なら君の目の前に居るじゃない。」
何でもない事のように彼は美月に告げる。
美月は信じられない気持ちで一杯だった。