🌹密会🌹
第10章 🌹March(終章)-1🌹
「貴方....誰...なの?」
恐怖から震え上がった声で尋ねた美月に対し、男は何も答えなかった。
彼はただ、この状況を面白がるように、綺麗な笑みを深くしただけだった。
美月はすぐさま起き上がろうとしたが、簡単に男の手によってベッドに縫い付けられた。
ラブホという防音性の高い密室で助けてと声をあげた所で誰も助けなど来ないだろう。
美月はやっと、この男にまんまと騙されていたと気づいたが、既に手遅れの状態だった。
「君から誘ったっていうのに、今更それは無いでしょう。美月ちゃん。」
男は綺麗な顔を歪めてケタケタと笑い始める。そして直後に始まったピストン運動が更に彼女の恐怖を増長させた。
「そんなに怯えた表情をしないでよ。まるで俺が悪者みたいじゃない。」
すっかり怯えきった美月に、罪悪感の欠片も無い男はそう語りかけると、的確に彼女のイイ部分を探してナカを突いていく。
恐怖を感じているというのに、
今すぐにでも出ていってほしいと思っているのに
粘着質な音を立てて濡れていく敏感な膣内が、美月は嫌で嫌でたまらなかった。
「黎一さん....。っ...黎一さん。」
絶頂が近づいていくと感じた美月は、愚かにも忘れようとした男の名前をうわごとのように呟いた。
その瞬間、嘲笑を零した男の怒張が質量を増した。
「自尊心が低くて馬鹿な女、俺は凄く好きだよ美月。」
嘲笑を零しながら、男は美月の耳元に囁いた。
紳士的な仮面を剥いだ彼の言葉は、まるで悪魔の囁きのようだった。