🌹密会🌹
第10章 🌹March(終章)-1🌹
「...では仕方ないな。」
美月に答える意思が無いと見做した日比谷教頭は、恐怖で震え上がっている美月を強引にベッドへと押し倒した。
「!!イヤ!!!やめてお願い!!」
そこで慌てたのは美月だった。あの大量の鬱血痕を見られる訳にはいかないと、悲鳴を上げ必死に抵抗する。
だが、その抵抗も虚しく、彼女の細い両手首はあっという間に日比谷教頭の左手に捕らえられ、ネクタイでいとも簡単に頭上に一纏めにされてしまった。
冬コートのボタンを外し終えると、日比谷教頭は彼女のブラウスのボタンを器用に片手で外していく。
「ッ...邪魔だな。」
彼は小さく舌打ちをしながらそう言うと、ヒィっと悲鳴を上げた美月のヒートテックのシャツをアッサリ手で破り捨てた。
下着1枚までひん剥かれた彼女の上半身が露になった所で、日比谷教頭の恐ろしいまでに吊り上がった両眼は、彼女の肌に点在している鬱血痕を捉える。
ああ...もう彼に拒絶される。
酷い罵詈雑言を浴びせられて、終わるんだ。
美月はそう確信すると、顔を日比谷教頭から逸らし、緊張で身体が震えそうになりながらも彼からの裁きが下るのを待ち続けた。