
副業は魔法少女ッ!
第4章 想いの迷い子
はだいたバスローブから出てきた身体は、いにしえのビーナス像も色褪せる。薄闇に浮かんだ白い女神の肉体は、ゆいかから、自覚の域を超えた独占欲を引きずり出す。
「はぁっ、欲張りなゆいか……いいね、もっとわがまま言って欲しいくらい……ァッあ……」
くねくねと撓る濡れた腰を愛撫しながら、明珠の自身に向ける慈愛を、それ以上に、ゆいかの知らない女達がいかに彼女を大切にしてきたかを痛感する。傷一つない。なずなを抱いた昨日の今日だから、尚更、瑕疵ない彼女に安堵する。
なずなでも明珠と同じことを望むだろうか。ゆいかが、あの男の形跡を閉じてしまいたいと口にしたら、彼女は首を横に振るか。嫌がってもそうしてしまいたいと思う。
目の前の美しい女をこれだけ求めておきながら、頭の片隅にはか弱く危うい少女が居場所を置いていて、ことあるごとに、ゆいかに何かささめいてくる。
「明珠……欲張りだよ……黒い感情が、どろどろしてくる……明珠のこと考えてると、こんなに綺麗になれるのに……」
「じゃあ、私のこともっと考えて……なんて、ゆいかは何もしなくても綺麗……」
「何もしなくても綺麗なものはないって、言わなかった?」
諧謔の調子で問うと、明珠が笑った。
彼女からのキスをねだって、ゆいかは右手で彼女の泉門を探りながら、舌を絡めた。
