
副業は魔法少女ッ!
第7章 私だけが独りだった
「私にも、良くして?」
「……東雲さんを呼んで」
「くどい!」
「むぐッ……」
三代のつま先がゆいかを顎から蹴り上げた。
椿紗は、どれだけの同胞をここに呼び集めているのだろう。
三代と交代した女が、我を失くした剣幕で、棒を宙に振り上げた。
この世界での魔法少女は、人間ではない。
殴打はゆいかを痣だらけにした。そして、女は乳房に縄をかけて、根元で縛った。にゅっと突き出た膨らみに、無数の針が突き刺さっていく。変形した乳房を棒先がなじる。ゆいかが顔を歪めると、女が興奮した顔つきになる。さっきの棒で、喘ぐ獲物の身体をまた打つ。
達観ともとり違える諦念が、ゆいかに痛覚も鈍らせていた。少なくともすぐには打開出来ない。
ややあって、また、椿紗が見えた。
彼女が女に無言で目角を立てたのは、魔力の補給が必要になる度、親友との時間を中断させられているためだろう。
「辛いでしょう。理不尽でしょう。それでいい。貴女は私を憎んで、苦しみでいっぱいになって、ルシナメローゼを呪いなさい」
「ううん、信じる。なずなちゃんはそこにいるから」
ゆいかは、女の要求を頑なに拒む。
