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副業は魔法少女ッ!

第2章 魔法少女の力




「すごいすごいっ!ゆいかさんやばいです!格好良すぎますぅっ!」

「大袈裟。なずなちゃんの防御がなければ、こんな大成功しないよ」

「私なんて、それくらいしか出来ませんから。本当にすごいです!植物の武器化なんて。しかもコントロール完璧じゃないですか。今日の敵、あんなに凶暴だったのに、ゆいかさんを狙ったのは自滅行為でしたね!」


 かくいうなずなは、星の生命力を光に変えて、それを物体化する力を備えた。

 星は地球に限らない。彼女の認識出来るもの全て、夜であれば空に輝くそれでも、手元に召喚出来るという。


「なずなちゃんは、もっと自信持とうよ。この辺も頑張ってくれていたんでしょ。お陰で仕事が少なくて済む」



 ルシナメローゼという遥か昔に滅んだ島国にいた民族達の怨嗟は、主に日本の各地の石に憑依している。その状態であれば問題ないが、怨嗟が石を抜け出すと、負の情念を撒き散らしたり、人間の精神を冒したりする。それを封じるのが、魔法少女達の仕事だ。

 通常、変身した魔法少女の姿は、第三者に認識出来ない。固有の魔力が発動して、他者の認識を外れるからだ。
 事実上はそこにいながら、そこにいない。第三者が戦闘現場を通りすがっても、彼らの五感が拾えるのは、せいぜい雨や通り風、不可思議な事象も気のせいか物音としてだ。

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