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ほしとたいようの診察室

第5章 プリンを作ろう

side:吹田



医局に戻ると、大海先生がいた。

「お疲れ様」


声をかけると、俺に用事があったみたいで、近寄ってきた。きっと、のんちゃんの事だろうと思う。


「お疲れ様です。吹田先生、のんちゃんの件ですが」

ほらね。

「今日の診察?どうだった?ちゃんと来たでしょ?」

のんちゃんは珍しく、陽太先生の付き添い無しで定期診察を受けに来た。

先月、診察が嫌で帰宅していたことを考えると、進歩を感じる。

この調子で治療も順調に進めばいいんだけど……。


「来ました。エコーと触診の感じから、ちょっとずつホルモン剤増やそうと思いまして。でも副作用が心配なんですよねぇ……」

「そうだね……副作用でやすいんだよね。ちっちゃい時から薬に敏感な体してるからさ」

カルテをめくりながら、幼少の頃からの記録を辿る。
血液の病気もさることながら、これから季節の変わり目を迎えることを考えると、喘息の症状も出てきそうなんだよな……。

「まあ、1ヶ月の様子見てだよね。ホルモン剤の量の増やし方に合わせて、こっちの血液の薬も調整していくね」

「ありがとうございます」



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