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ほしとたいようの診察室

第5章 プリンを作ろう

side:のぞみ



診察から2日後、ホルモン剤の副作用はすぐに出た。



吐き気と腹痛が、一日中続く。

……今日、仕事休みで良かった。


ベッドの中でうずくまりながら、目をつむる。

船に乗っているみたいに、体が揺れている感じがして気持ち悪い。


これ、ほんとに良くなるの……?


大海先生を心の中で疑う。


明日の勤務はパートさんが1人休みになってしまっているから、わたしが休んで穴を開けるわけにはいかない。


「うー……これじゃあ働けないよ……」


誰に聞かせるでもなく、つぶやく。

働けないどころかベッドから離れられない。



でもこれ、もし大海先生に相談に行ったら……

血液採られて、内診されたりするのかな……

それだけは避けたい。もうこれ以上しんどいのは困る。




『少しつらくても継続してほしいなぁ』

脳裏に大海先生の言葉が過ぎったけれど……



薬、今日くらい……お休みしてもいいよね。



テーブルに置いた薬に背を向けるように、寝返りを打った。
ゆっくりと呼吸を繰り返し、どうにか不快感を鎮める。

そうしているうちに、眠りに落ちていた。





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