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ほしとたいようの診察室

第6章 回想、はじめまして

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陽太先生が専門医として小児科へやってきたのは、翌年の春先のことだった。


「優先生、お久しぶりです。これからお世話になります」


礼儀正しくにこやかに頭を下げる彼こそが、日野陽太先生。


研修医1年目で小児科に回ってきた時に教えていたから、知った顔だった。
おおらかで子どもウケがよい、保護者ウケもよい、さらに勉強熱心で筋も良い、頼りになる後輩になること、間違いなしだった。



「よろしくな、頼りにしてる」



このときは、何気なく口にした言葉だったが。
陽太先生に頼りっぱなしの1年になる。








この年の春から、俺の人生は急展開を迎えることになるとは、思いもしなかった。








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