
ほしとたいようの診察室
第7章 回想、主治医の苦悩
何気なく、優先生はパソコンを操作して、のんちゃんのカルテを開いて言った。
「のんちゃんはもうひと頑張りしたら、本格的に退院が視野に入ってきそうだが」
俺も、それには同意見である。
「はい。それは俺も思っていたところです」
もう一度、コーヒーを口に含む。
画面に出ていた検査結果の数値を見つめた。
悪くない、むしろ良くなった方だ。
薬を調整して、もう少し安定してくれれば。
そんなことを思っていたところだった。
……のんちゃんを、本当に自由にしてあげられるときが、近づいてきている。
……
