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ほしとたいようの診察室

第9章 ひとときの外出

……



そこからは、楽しくご飯を食べた。



山ほどの唐揚げを、飽きるまで食べた。

わたしが子どもだった頃の話も聞いた。それはそれは、懐かしそうに遠い目をする陽太先生の横顔を見る。
記憶の深いところにある思い出を、追想しているようだった。


「……とんでもなく手がかかる子だったよ、のんちゃんは。でも、手をかけた分、治ったときは嬉しかったなぁ」



わたしはやっぱり……陽太先生が好きだった。


大変だったとしても、そんなふうな顔で昔のことを教えてくれるのだ。決して悪い思い出ではないことが、嬉しかった。

心理的にも物理的にも、わたしたちの距離が縮まったのは、言うまでもない。



野暮な確認はしなかった。

関係が恋人同士に変わったのは、陽太先生がわたしに見せる表情が増えたことで感じる。



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