ほしとたいようの診察室
第9章 ひとときの外出
思わず、カーペットに両手をつく。
「いま倒れたら、吹田先生に全部報告しなきゃいけないからやめて」
平気そうな声が上から降ってくる。
……く、悔しい。わたしばっかり。
わたしばっかり、こんなに動揺していることが。
そして。
陽太先生の……恋人になった、ことは。
自ら公にしなくても広まるだろう。その……。
「やっぱ……あの、わたしたちが、その、つ、つき、つきあ……」
っていうか、付き合ってるって言っていいんだよね……?!
もじもじしていると、陽太先生がその先を引き継いだ。
「付き合ったことは、知れ渡るだろうね」
「……な。なんて言われるんでしょうか……」
吹田先生の鋭い目つきと意地悪な笑い方を思い浮かべて、身震いする。
わたしがそんなことを考える間、陽太先生もいろんな想像をしたらしい。
「あー……気にしても仕方ないね」
苦笑する、陽太先生。陽太先生も吹田先生にはなにやら意地悪くされることがあるんだろうな、と今のでわかる。
どっちみち、わたしたちは吹田先生には敵わないのだ。
「……折を見て、伝えるよ。吹田先生には」
初めて、陽太先生の言葉の歯切れが悪くなった。
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