ほしとたいようの診察室
第9章 ひとときの外出
病室に戻れば、吹田先生がやってきて、さっさと血圧を測り、火傷の様子を見てくれた。
「おかえり、のんちゃん。楽しかった?」
なんの変哲もない言葉に頷きながら、陽太先生と関係ができたことを胸に秘める。
「で、どうだった?」
あくまでも火傷に意識を寄せながら、一瞬鋭い眼光が、わたしを見つめた。
わたしは、その場ですくみ上がるような思いだった。
「どうって、まあ、その」
全てを見透かされそうになって、ごにょごにょと濁しながら、いや、濁しきれてないけれど、目を逸らす。
「ふーん。なんかあったんだ」
にんまりと、吹田先生は笑う。
いつもの、意地悪な笑顔だ。まるでなにか動物のように鋭く、獲物を逃がさないような、そんな目をしていた。
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