シャイニーストッキング
第12章 もつれるストッキング1 松下律子
162 残り香の意図
やっぱり佐々木ゆかり準備室室長は、わたしの今までのシャネルの香水の残り香の意図に気付いていたんだ…と。
今までワザと彼、大原常務に、わたしの香水の残り香を付けていた事を…
そして、敢えて意図をしてその残り香の強弱にも気付いていたみたい。
さすがだわ…
わたしは内心、この越前屋さんからの話しを聞いてそう感心をする。
「あら、そうなんですかぁ…
うふ、越前屋さんは可愛いですねぇ…
このわたしの香りはね…
『シャネルNo19』ですよ…」
「え、No19…
やっぱり…
向こうでもそうなんじゃないかって話しをしていたんですぅ…」
「はい、一説にはこのNo19は働く女性の為に創られたという説もあるくらいで…
控えめな上品な香りなんです」
「うわぁ、勉強になりますぅ…
さっそく向こうに教えちゃおう」
と、越前屋さんは笑みを浮かべてそう言ってきた。
さて…
彼女、佐々木ゆかり室長は、これでどう感じ、考えるのだろうか?…
今までは『No18』の残り香をワザと彼に付けていた…
そして時にはワザと強く付けた日もあった。
また、お盆のあの彼の帰省からの帰り際には…
ワザと今までとは違う『No19』の残り香を、しかも微かに香る程度に付けたのだ。
果たし彼女はこの残り香の違いの意味、意図が分かるのか?…
それとも偶然だと思うのか?…
さすがに銀座のホステスの香りが、この新しい秘書の香りの変化の違いと結び付けられる筈はないのだが…
だけどわたしには…
彼女なら、あの佐々木ゆかりならば…
この巧妙なカラクリさえも読み解いてしまうのではないか?…
そんな気もしていたのである。
「あ、そうだ越前屋さん。、常務は午前中にコールセンター部に寄ってから戻るそうですよ」
「はい、そうなんですか?
多分、面接するのかなぁ?」
そんな越前屋さんをよそに、わたしはこれからの彼女との関係のせめぎ合いが楽しみになってきていた…
やっぱり佐々木ゆかり準備室室長は、わたしの今までのシャネルの香水の残り香の意図に気付いていたんだ…と。
今までワザと彼、大原常務に、わたしの香水の残り香を付けていた事を…
そして、敢えて意図をしてその残り香の強弱にも気付いていたみたい。
さすがだわ…
わたしは内心、この越前屋さんからの話しを聞いてそう感心をする。
「あら、そうなんですかぁ…
うふ、越前屋さんは可愛いですねぇ…
このわたしの香りはね…
『シャネルNo19』ですよ…」
「え、No19…
やっぱり…
向こうでもそうなんじゃないかって話しをしていたんですぅ…」
「はい、一説にはこのNo19は働く女性の為に創られたという説もあるくらいで…
控えめな上品な香りなんです」
「うわぁ、勉強になりますぅ…
さっそく向こうに教えちゃおう」
と、越前屋さんは笑みを浮かべてそう言ってきた。
さて…
彼女、佐々木ゆかり室長は、これでどう感じ、考えるのだろうか?…
今までは『No18』の残り香をワザと彼に付けていた…
そして時にはワザと強く付けた日もあった。
また、お盆のあの彼の帰省からの帰り際には…
ワザと今までとは違う『No19』の残り香を、しかも微かに香る程度に付けたのだ。
果たし彼女はこの残り香の違いの意味、意図が分かるのか?…
それとも偶然だと思うのか?…
さすがに銀座のホステスの香りが、この新しい秘書の香りの変化の違いと結び付けられる筈はないのだが…
だけどわたしには…
彼女なら、あの佐々木ゆかりならば…
この巧妙なカラクリさえも読み解いてしまうのではないか?…
そんな気もしていたのである。
「あ、そうだ越前屋さん。、常務は午前中にコールセンター部に寄ってから戻るそうですよ」
「はい、そうなんですか?
多分、面接するのかなぁ?」
そんな越前屋さんをよそに、わたしはこれからの彼女との関係のせめぎ合いが楽しみになってきていた…