シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング6 和哉と美冴2
2 最優先事項
8月10日午後5時半…
ブー、ブー、ブー…
あ、真実(まみ)からだ…
「はい、もしもし…」
「和哉ぁ、わたしですぅ」
「うん…」
「今ねぇ、ママとぉ熱海にいるのぉ…」
そうか、やはり熱海に行ったんだ…
「うん…」
「和哉もぉ、まぁだぁ、実家なんでしょう」
「うん…」
実は、僕は真実に対して実家に帰省している事になっていた。
それはこのお盆休み前半に必ず美冴さんに再会すると確信していたから、嘘を付いて一人で活動したかったからだ。
「わたしはぁ、明後日の12日に帰りますからぁ…」
「僕もその日迄には戻っているから」
「ええっ、じゃあ、12日の夜に行ってもいいのぉ…」
「ああ、いいよ、待ってるよ」
「うん…」
と、彼女は嬉しそうな声を出して電話を切った。
少し心が痛んだ、そして嘘をついた事に後ろめたい想いがあったのだ。
だが、これは仕方がない事なのである。
美冴さんと再会を果たす…
これが、この東京に、この駒澤大学に入学した、自分の本当の目的であり、存在意義なのであるから。
この為に、この大都会東京に上京してきたのであるから…
何よりも、何を置いてでも、この美冴さんとの再会が最優先事項なのであるからだ。
例え、真実に対して嘘をついてでも…
で、ある。
この再会を果たせなかったら、僕の青春の想い、時間は永遠に終わらなく、生涯付き纏ってくる筈であったのだから…
だから…
だから、最優先事項なのだ…
午後7時に、とりあえず近くのコンビニで待ち合わせの約束を交わしたのである。
こんな近所に住んでいたなんて…
四年間も、偶然にも、近所に住んでいたなんて…
そして康くんの叔母さんだったなんて…
必然的でなくて何なんだというのか…
僕は、見えない、不思議な、因果的な、力の存在を感じてしまうのである。
ようやくだ…
ようやくなんだ…
『また後で…』
そう二人で言葉を交わし、ホテルのドアを閉めたあの時間が、いや、あの時間からまた再び、時計が動き始めるのだ…
あと一時間半…
再会の時が近づいてきていた。
再会をしてちゃんと話しをし、再び心の時計が終わりの時間を刻む為に動き出すのだ…
いよいよこの五年間の青春の想いの決着を付けるのだ…
8月10日午後5時半…
ブー、ブー、ブー…
あ、真実(まみ)からだ…
「はい、もしもし…」
「和哉ぁ、わたしですぅ」
「うん…」
「今ねぇ、ママとぉ熱海にいるのぉ…」
そうか、やはり熱海に行ったんだ…
「うん…」
「和哉もぉ、まぁだぁ、実家なんでしょう」
「うん…」
実は、僕は真実に対して実家に帰省している事になっていた。
それはこのお盆休み前半に必ず美冴さんに再会すると確信していたから、嘘を付いて一人で活動したかったからだ。
「わたしはぁ、明後日の12日に帰りますからぁ…」
「僕もその日迄には戻っているから」
「ええっ、じゃあ、12日の夜に行ってもいいのぉ…」
「ああ、いいよ、待ってるよ」
「うん…」
と、彼女は嬉しそうな声を出して電話を切った。
少し心が痛んだ、そして嘘をついた事に後ろめたい想いがあったのだ。
だが、これは仕方がない事なのである。
美冴さんと再会を果たす…
これが、この東京に、この駒澤大学に入学した、自分の本当の目的であり、存在意義なのであるから。
この為に、この大都会東京に上京してきたのであるから…
何よりも、何を置いてでも、この美冴さんとの再会が最優先事項なのであるからだ。
例え、真実に対して嘘をついてでも…
で、ある。
この再会を果たせなかったら、僕の青春の想い、時間は永遠に終わらなく、生涯付き纏ってくる筈であったのだから…
だから…
だから、最優先事項なのだ…
午後7時に、とりあえず近くのコンビニで待ち合わせの約束を交わしたのである。
こんな近所に住んでいたなんて…
四年間も、偶然にも、近所に住んでいたなんて…
そして康くんの叔母さんだったなんて…
必然的でなくて何なんだというのか…
僕は、見えない、不思議な、因果的な、力の存在を感じてしまうのである。
ようやくだ…
ようやくなんだ…
『また後で…』
そう二人で言葉を交わし、ホテルのドアを閉めたあの時間が、いや、あの時間からまた再び、時計が動き始めるのだ…
あと一時間半…
再会の時が近づいてきていた。
再会をしてちゃんと話しをし、再び心の時計が終わりの時間を刻む為に動き出すのだ…
いよいよこの五年間の青春の想いの決着を付けるのだ…