妹
第5章 夏休み
「う~ん、あのね、お母さんやお父さんにはちょっと言いたくないんだよね!もちろん友達なんかにも言えないし、言えるのは、お兄ちゃんくらいかな?って思って……。」
ゆっくりと穏やかな口調で、妹が言った。
僕は、寝転んでた体を起こして、胡座をかくと、妹を見て、
「ん?お前痴漢に合ったの?」
と聞いた。すると妹は、
「ほら、お兄ちゃんが合宿に行った日、私も中学校へ行ったんだよね!進路の関係で、卒業した先輩の経験みたいなのを聴くためのイベントがあって……。その日の朝、いつものように電車に乗ったんだけど、そこでね……。触られたんだよね!」
と言った。
僕は、何と言っていいか分からず、
「大丈夫なのか?よく痴漢に合ったら周りに知らせろって言うけど、出来なかったのか?」
と、心配して言うと、妹は、
「私もそういう歳になったのかな?って思った。初めてだったのよね!電車で他人に触られるって……。」
と、慌てるでも、興奮するでもなく、静かに言った。
「お前、その男見たのか?」
と僕が聞くと、妹は、
「見ないわよ!だって気まずくなるでしょ!」
と言った。口調からは、怖かったとか、怒りとかいうものは感じられなかった。
「最初はね!何か当たってるな!とは思ったの!お尻に……。で、そのうちに触られてるんだ!って分かったんだけど……。」
と言ってからちょっと間をおいて、
「ほら、その前の夜、お兄ちゃんが合宿の準備してた日。お兄ちゃんに触られたじゃない?」
と言ったので、僕は、焦って、
「それはでも、お前だって……。」
と言うと、妹は、
「そうじゃないの、それを悪いって言ってるんじゃないの!私、痴漢に触られた時にね!私もしかして、そういう雰囲気出してるのかな?って思ったの!だって、今まで電車で触られるなんてなかったし……。」
妹は、短めの髪を耳に掛ける仕草をした。
ゆっくりと穏やかな口調で、妹が言った。
僕は、寝転んでた体を起こして、胡座をかくと、妹を見て、
「ん?お前痴漢に合ったの?」
と聞いた。すると妹は、
「ほら、お兄ちゃんが合宿に行った日、私も中学校へ行ったんだよね!進路の関係で、卒業した先輩の経験みたいなのを聴くためのイベントがあって……。その日の朝、いつものように電車に乗ったんだけど、そこでね……。触られたんだよね!」
と言った。
僕は、何と言っていいか分からず、
「大丈夫なのか?よく痴漢に合ったら周りに知らせろって言うけど、出来なかったのか?」
と、心配して言うと、妹は、
「私もそういう歳になったのかな?って思った。初めてだったのよね!電車で他人に触られるって……。」
と、慌てるでも、興奮するでもなく、静かに言った。
「お前、その男見たのか?」
と僕が聞くと、妹は、
「見ないわよ!だって気まずくなるでしょ!」
と言った。口調からは、怖かったとか、怒りとかいうものは感じられなかった。
「最初はね!何か当たってるな!とは思ったの!お尻に……。で、そのうちに触られてるんだ!って分かったんだけど……。」
と言ってからちょっと間をおいて、
「ほら、その前の夜、お兄ちゃんが合宿の準備してた日。お兄ちゃんに触られたじゃない?」
と言ったので、僕は、焦って、
「それはでも、お前だって……。」
と言うと、妹は、
「そうじゃないの、それを悪いって言ってるんじゃないの!私、痴漢に触られた時にね!私もしかして、そういう雰囲気出してるのかな?って思ったの!だって、今まで電車で触られるなんてなかったし……。」
妹は、短めの髪を耳に掛ける仕草をした。