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男同士

第9章 事件










そのおかげで、頭が切り替わった気がする。






幸い、その時は一年のフロアに先生がいなかったから、まだなんとかカモフラージュ出来るはずだ。








俺と雄斗は兄ちゃんのところまで全力で走った。

と言っても、そんなに距離はなかったけど。








近づいてみてまず最初に驚いたことは、兄ちゃんに引きずり回されていた男子生徒が隣のクラスのヤツだったことだ。







俺はてっきり、ウワサ絡みのことで兄ちゃんが怒っているものだと思ってたから、三年を引きずり回しているのだろうと、半ば決めつけていた。









もひとつ驚いたことは、兄ちゃんの左手の出血量。無数に切り傷がついていたけど、手の甲をぱっくり切っていて、主にそこからの出血がひどかった。







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