兄と妹~本能のおもむくままに~
第1章 兄夫婦
痴漢の男と美穂に婦警さんが頭を下げて
二人は解放された。
駅を出て痴漢の男が美穂に声を掛けてきた。
「すまなかったねえ、
学校、遅刻になっちゃうんじゃない?
タクシーで送ろうか?」
首を横に振って美穂は早足で歩き始めた。
「何ならラブホに行かないか?
さっきの続きをしてあげるよ」
それと、これはさっきのお詫びだ。
取っておきなさい。
そう言って痴漢の男は
一万円札を美穂に握らせた。
「ラブホで相手してくれたら、
もう一枚あげるよ」
そう言われて美葉は振り向きざま
男の頬を平手打ちした。
バチンと乾いた音がして
手のひらがジンジンした。
「ふざけるな!
エロ本でも見て自分でチ○コを擦ってろ!」
そう言い捨てると一目散に走り初めていた。
美穂はそのまま登校せずに
カラオケボックスに逃げ込んだ。
そしてスマホを取り出すと
幼馴染みの伸二にLINEした。
『今、○○駅近くのカラオケボックス
すぐに来て』
数分後、伸二から返信がきた。
『バカ言え!授業中だぞ!』
それがどうしたって言うのよ。
美穂のむしゃくしゃが加速した。