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兄と妹~本能のおもむくままに~

第5章 義姉の立場を忘れて女の嫉妬


伸二が帰るのと入れ違いに
兄の啓司が帰ってきた。

食卓には二人分の食事が用意されていた。

「あれっ?美穂の分は?」

そう明美に尋ねると、
「食欲がないそうよ」と
素っ気ない返事が返ってきた。


「どうしたのかな?」

美穂の部屋のドアに目をやって
啓司は表情に憂いを浮かべた。

「何があったのか聞いてらっしゃいよ
あの子、私に心の壁を作って
打ち解けてくれないんですもの」

明美に尻を叩かれて、やれやれと言いながら
啓司は美穂のドアをノックした。

返事がなかったので
「美穂、入るぞ」と声をかけて部屋に入った。


部屋の灯りはつけられておらず、
真っ暗の中で立ちすくむ美穂を見て
啓司はぎょっとした。

暗がりの中でも視認できるほど白い肌の美穂…

そう、美穂は一糸纏わぬ素っ裸であった。

「何してるんだ。風邪を引くぞ」

啓司が毛布を掛けてあげようと
ベッドに近づくと
美穂も同じようにベッドに近づいて、
その上に座り込んだ。

「見て…私、女になったの」

美穂はそう言って
ベッドのスタンドの灯りをつけて
脚をM字に開いた。

またいつもの病気が出たのかと
啓司は無視して部屋を立ち去ろうとした。

美穂は慌てて啓司の手を取って引き寄せ、
同じようにベッドに座らせた。

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