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カクテル好きの女たち

第11章 最終章


婦警の良美が言うように、
珠代は、ほどなくして帰ってきた。


「これからどうすればいいのかしら…」

バーで秀一とお酒を酌み交わしながら
珠代は呟いた。

「私でよければ
いつでも相談に乗りますよ」

そう告げると、
その言葉を待っていたかのように

「じゃあ、あの屋敷で
私と一緒に暮らしてください!」

きっと彼女は一人で
あの大きな屋敷に住むのが
心細いのだろうと感じた。


私は妻にも捨てられた風来坊だし
断る理由はなかった。

オーナーの喪が開けてから
当然のように
私たちは婚姻届を提出して
本当の夫婦になった。

それは自然の成り行きだったが
二つだけ私はわがままをきいてもらった。

ひとつは夫婦になっても
あのバーで働らかせてもらうこと、
もうひとつはバーに寂しい女が来たら
幸せを与えてあげるということだ。

そんなわけで、
今夜も俺は
女性客が来るのを静かに待っている。

あなたも寂しければ
俺の店を探しだしてみませんか?




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