
🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第1章 ゼロ話し
父の暴挙――――…
だが、そんなの――――…我が家の状況を見たら…
「仕方ない――――よな…あんな状態だったんだから」
と、一部の同情を誘い――――終わる。
そうして自分の事件は…一時騒がれたが…
20年以上もたてば忘れ去られる…
この――――空き地に…昔し父親に殺された一家の住む家があったなんて…もう、誰も知らないだろう。
なのに――――…
今日――――…久しぶりに…誰かが花束を持って立っていた。
「懐かしいなぁ……僕の原点は……ここから始まった気がするよ」
――――原点…?何を言っているんだ…この…美しい男性は…
彼は百合の花束を空き地の真ん中に置くと…
懐かしそうに視線を宙に向ける…。
その視線の高さは――――…自分の家があったら…2階の部屋を見渡す感じだろうか?
「君は勘のいい子だったから…ちょっと苦労したよ。
僕も初めてだったし根回しに時間かかっちゃって…結果が出るのが2年後とか…改善点に四苦八苦したよ。
でも――――難しい問題を解くみたいに夢中になっちゃって…君の父親があんなことをするなんて予想外だった――――…でも、望んだ通りにはなったから結果オーライって今では思っているよ…」
――――何を言っているんだ?この男は…
「今では――――これらの経験を生かして…コンサルタント会社を設立したんだ…
まぁ――――…順調だったけど…君みたいに勘の鋭い子が現れてね……再び2年を棒に降ったよ…でも、やっと再開!
応援してくれたら……うれしいな……」
そう言うと、彼は花束を見つめ微笑んだ――――…
すると、路上で待機していた車がクラクションを鳴らした――――…
「もう、行かないと――――…今日、新しい事務所のオープン日なんだよね」
彼は踵を返すと――――車に乗り込んだ…
自分はこの場所を動けない…
だが、彼は――――――――どことなく…
あの子に………似ていた。
あれ?
似ていた?――――誰に?
あの子の顔が思い出せない…………。
今日も――――この空き地は…静かだ…。
