🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第32章 エンドストーリー
『いやだ――――いやだ…地獄は嫌だ!私は何も悪いことはしていない!私は…私は――――ただ…ヒトの死を愛しているだけなんだ…ヒトは脆くて、弱くて――――操りやすい…右と言えば右に…左と言えば左に……ヒトの運命を握るのは…楽しいから』
「だから――――こんなに汚れるんだよ!人は脆くないし、弱くないし…操れない!お前は地獄で反省しろ!」
アロハシャツが渋い声でお経を唱えると――――周りが少し明るくなり…汚れが綺麗に溶けた!
地獄に行きたくないと…泣き叫ぶ声が土地に響いたが――――!俺は皆の耳を塞ぐよう祈った。
すると、俺の全身が光――――…その光に掻き消されるように黒く汚れた魂の彼は消えた。
「最後は土地神様の力で祓われちまった!やっぱり、新米でも神は神だな―――!まじで、土地神様助かりました。
しかし、何であいつのいいなりになったんですか?あいつの言霊だってあなた様には効かなかったでしょ?」
『何でかな――――昔の知り合い…の気がしてね…無下に出来なかったんだ』
俺は、自分が数年前からここの土地神になったことを…神託でしった。
しかし、祀ってくれる祠もないし…消えるのは時間の問題だと思っていた。
しかし、ある日――――小さな女の子が気まぐれか何かか…木で小さな鳥居を作り、その奥に大きめの石を置いた。
その日から…少しだが――――神力が使え…動けるようになった。
俺は、祀られ―――神となれた。
彼は、どこぞでそれを知り…俺と入れ替わるつもりだったらしい。
『新米だと…狙われるって聞いたことがあったが……こう言うことか…次は気を付けるよ』
俺はアロハシャツと少年に頭を下げ…祠に見立てた石の上に座った。
「じゃ、何かありましら―――神力で何か飛ばしてください!依頼事、YouTubeで流してもOKなら助けますんで!」
なんとも、いい加減そうな男だが…
実際、彼には助けられたわけだし、こっそり幸を与えることにした。
もちろん少年にも――――…今晩のおかずが少しぐらいよくなる程度の幸だが、俺なりの感謝だ。
これからも――――よろしく頼む…。
はぁ~、汚れがないとこうも…空気が違うんだな…。
汚れを祓う――――土地神に…俺はなろうかな?
【完】