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🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️

第18章 静かな憎悪が積もる…


結局――――…


その場から逃げるように実家に帰り…


俺は…兄は死んだのかもしれない……と、呆けて過ごした。



食欲も――――…無く…一点を見つめ動かない時間が増えた。


夜は――――兄の通っていた大学の方角の外を眺め…眠れぬ夜を過ごした。



そんな中――――…



祖父の開催する“華道会”の日が来てしまった。



胸の奥がずーっとモヤモヤしている。



兄に会いたい…


兄に――――…会いたい。




はっきり言って…不健康な生活が続いていた…

そうなると…たった数日で――――俺の体重は5キロも落ち……思考は止まった。




「天輝様――――…体調が優れませんか?体型が…」



祖父の会に参加するため榎木が俺の着付けをしながら心配そうに襦袢の紐を結ぶ。




「少しな――――…寝れないだけだ」



「旦那様と奥様方が心配されます…食事はとってくださいまし…」




――――心配?



嘘だね…あの人たちは…自分のことだけで頭一杯だ。


俺が体調不慮だろうが――――…


兄が右目を失明しようが…火災に巻き込まれて…ど~なろうが…



あの人たちには…興味ないだろう…。




兄の学費を…生活費を――――親として…ちゃんと出していたら…



兄は…



兄は――――…




「天輝様――――どうかされましたか?」








「いや――――…なんでもない…着付けの続きを頼む…」



「はい――――かしこまりました」






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