もう推しとは言えない *番外編更新中
第21章 番外編 最後の○○
(どうして…?)
そう、思ってしまうけれど…この、優しくて温かな温もりが…幸せだった。
澤畠先生が離れていく時に、寂しさを覚えてしまうくらいには…。
「っ…澤畠、先生…」
「…本当、将来が心配ですね…ダメですよ、そう簡単にキスされては。」
「なっ…だって、澤畠先生がっ…それに、澤畠先生じゃなかったら、突き飛ばしてます…」
私だって、澤畠先生以外だったら、キスなんて絶対されたくないもん。
先生だからだよ…触れられたいと、思ってしまうのは。
(もう一回して欲しいなんて…言ったら、どう思われるんだろう…)
「…へぇ?じゃあ、試しに…私を、そうですな…そこら辺の知らないオッサンとでも思ってください。
…歳とはいえ、男ですからね…迫られた時、そんな人をあなたは本当に突き放せます?こんな風に…」
「っ…」
澤畠先生は…強く私の手首を掴んで、そのままグイッと先生の方へ私の身体を引き寄せた。
先生、だから良いけど…もし本当に、これが先生じゃなくて知らない人だったら…と思うと、恐怖でしかない。
先生の、私の手首を掴む手を…離せない。
「…ほれ、こういうことです。すみません、痛かったですよね。」