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もう推しとは言えない *番外編更新中

第21章 番外編 最後の○○




私の手を握ったまま…澤畠先生は、私に深くキスをする…さっきよりも、深くて甘い…まるで、恋人にするかのような…。
名残惜しそうに離れた唇は…少し濡れていて、それが澤畠先生独特の雰囲気と混ざりあって、色気を醸し出していた。


「澤畠先生…」

「…ふっ、こんなとこでキスしてたら、誰かに見られちゃったかもしれませんね。」

「あっ…す、すみません…」

「…何で謝るんですか?我慢出来なかったのは、私の方ですから…気にしないでください。」


澤畠先生は、そう言うと…少し切なげに笑って、私の頭にぽん、と手を乗せた。


「…あなたが、私を好きになってくれたこと…理解は出来ませんが、光栄に思います。
…こんな、私の勝手でキスしといて…あなたの気持ちには応えられなくて、すみません。

でも…、私を好きになってくれて、ありがとう。」

「っ…」


澤畠先生の…私を見つめる瞳が、柔らかくて…優しくて。
先生に見つめられるだけで、キュン…としてしまうのは、もう…仕方ないこと。

そして…好きになってくれてありがとう、なんてそんなこと、先生から言われたら…嬉しいのと同時に、切なくなる。


「やっぱり…澤畠先生は、ズルいです…」

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