もう推しとは言えない *番外編更新中
第21章 番外編 最後の○○
「…そうですね。椎名さん…、」
もう一度…澤畠先生の顔が近付いて…キス、されるかと思ったら…。
チュッ、と私の頬に澤畠先生の唇が触れた…。
「…せ、先生…」
…もっとして欲しくなるから、やめて欲しい…。
いっそ、このまま…このどことなく甘い雰囲気に澤畠先生が流されてしまえば良いのに。って、何度思ったことか…。
「先生…好きです…」
「もう言わなくて良い…すみません、もう少しだけ…」
「んっ…」
もう少しだけ、と言いながらも…澤畠先生は、私に何度も何度も…キスを繰り返す。
タガが外れたように…。でも、今だけだから…。
ずっと…澤畠先生に触れて欲しかった。私を見て欲しかった…。
それが少し叶った気がして…嬉しくて。
先生のキスに…必死に応えていく。
「ふっ…ぁ…」
「はぁ…何度キスしても、もっとしたくなるなんて…訳分かりませんな。椎名さん、大丈夫…ですか?」
「はい。大丈夫です、私は…なんなら、もっと澤畠先生に私だけを見ていて欲しいです…」
「…まったく、こんな時に煽るんじゃありませんぞ。これ以上したら、本当に私があなたを帰せなくなる…帰りましょうか。送ってきますよ、家まで。」